違法ダウンロードとCDの売り上げ低迷は関係ないらしい

関係がないどころか、ダウンロードされた方がCDの売り上げが伸びるそうです。 今まで「CDが売れないのは違法ダウンロードできるせいだ!」とわめいていた人たちからすると、信じられないんでしょうね。

らばQ : 違法ダウンロードされたほうがCDは売れるの法則が判明より

今回の調査では、音楽が月に1本の違法ダウンロードされるたびに年間0.44枚のCDが売れる、という計算だそうです。 つまり極端に言うと、月に100本の音楽をダウンロードする人は、年間44枚のCDを買う、ということですかね。

違法ダウンロードしようとする人は、興味がなければダウンロードしようともしません。 元記事でも言及されていますが、「興味がない音楽は聴こうともしない」わけです。

じゃあ、なぜ無料で手に入れられるはずのCDを買ってしまうのでしょうか。なぜCDは売れなくなったのでしょうか。そして、今後どうなっていくのか。 続き以降に僕の考えを書いてみたいと思います。

生まれるファン

まずは、なぜCDを買ってしまうのかについて考えてみます。 あるアーティストのCDを違法ダウンロードで入手したとします。 たまたま名前を聞いたことがあるけど、曲はよく知らない。1回くらい聴いてみようか・・・くらいの気持ちです。 そのアーティストを気に入ったら、コンサートやCDの情報をチェックするようになるでしょう。きっと。 コンサートの開催があったり、新しいCDが発売されているのを見たら、思わず買ってしまうのではないでしょうか。

つまり、違法ダウンロードされたCDによって、「ファン」が一人増えるのです。

新しいCDはすぐに違法ダウンロードできるようになる訳ではありません。 アップロードする人が必要ですし、見つかったとしてもダウンロードが完了&しっかり聴けるまで待たないといけません。 そのアーティストが本当に好きになっているのなら、「すぐに聴きたい!」などの理由でCDを買ってしまう人も多いのではないでしょうか。

プロモーションになる?

まずは興味をもってもらう、ということに関しては、通常のプロモーションがあります。 街頭やラジオ・テレビではヒット曲が毎日延々と流れ続けています。興味がないアーティストでも曲は覚えていることも多いのではないでしょうか ? また、CDが丸々聴けるプロモーションとしては、CDショップやレンタルショップの試聴コーナーがあります。 新譜コーナーによくありますが、CDがそのまま入っていて、聴こうと思えば全曲聴けます。 Webでもシングルカットされている曲などは全曲試聴できるものもあります。

違法ダウンロードをされてしまうことで、たしかにその1枚のCDは売れないかもしれません。 でも、ファンが一人増えることには多くのメリットがあります。 興味を持ってくれたことで、次のCDは買ってくれるかもしれません。コンサートにも足を運ぶかもしれません。関連グッズも買ってくれるかもしれません。友達をも巻き込んでくれるかもしれません。

上記のプロモーションは「まず聴いてもらい、興味を持ってもらう」ことに主眼を置いています。 違法ダウンロードが図らずも、同様の効果を持っているということでしょうか。

本当に聴きたいのか

では、CDが売れなくなった理由を考えてみましょう。 CDを買うようになる人もいますが、違法ダウンロードだけで済まそうとする人もいます。 でもその人は、違法ダウンロードがなければ「買わない」だけではないでしょうか。

考えてみてください。「ちょっと聴いてみたいけど、CD買ってまでは聴きたくない」と自分が思う曲があったら、そのCDを買いますか? 友達に聴かせてもらったり、テレビ等で聴いてから買うかどうか決めませんか? 聴いてみた結果、良いと思えば買うでしょうし、いまいちと思えば興味を失うでしょう。

「違法にダウンロードしたファイルさえあれば、そのアーティストにはお金を払わない」という人は、違法ダウンロードがあってもなくてもそのアーティストにお金を払いません。「金出してまで聴きたいと思わない」ってことですかね。 そうすると、試聴しまくってるのと変わりません。

しかし、今まで「試し聞き」の為にCDを買っていた人の分がなくなるので、売り上げが目減りしているかもしれませんね。 この現象を指して、売り上げ低下を「違法ダウンロードのせいだ!」と言うならばその通りなのでしょう。

変化が訪れている

では、この奇妙な状況を抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか? 一つには、音楽業界のビジネスモデルを変える時期にさしかかっているのではないでしょうか。 今までは、レコード・CDを主な収入源にしていたんでしょうね。みんな少しでも聴こうと思ったら、買うしかなかったですから、 そりゃ売れたんでしょうね。

しかし現在、コピーやダウンロード等の複製技術が普及していまい、CDとして売られていたコンテンツは簡単にコピーされ、試聴できるようになりました。上でも述べましたが、お試しのお客がいなくなった分、売り上げは減ったのでしょう。 権利者団体達はこれを旧来のモデルに戻そうと奮闘しているのです。エライですねぇ。バカですねぇ。

複製技術が誕生してしまった以上、あとはイタチごっこです。どう対策したって、それを突破する人が現れます。 争いの末に待っているのは、音楽業界の衰退でしょう。CCCDの件で、その兆候は出ていたのではないかと思います。 じゃあ、このまま違法ダウンロードを野放しにし、旧来モデルへ戻して衰退を待つことしかできないのか?

そんなことはありません。複製されることを前提に、新たなビジネスモデルを築いていけばいいのです。

新しいモデル

ど素人の僕が考えつくくらいですから、当然もっともっと早くから目をつけている人はたくさんいます。 たとえば、iTunesStore等の一部の音楽ネット販売でDRMが撤廃されたのは記憶に新しいところです。 また、RadioheadやMadonna等の一部アーティストはレコード会社と決別し、独自のビジネスモデルに手を付け始めました。

これらは、いち早く新しいモデルを構築しようという試みの一例です。 もちろん既得権益のみで生きている方々からは猛烈な反発が上がっていることでしょうし、新しい動きは叩きつぶされていくかもしれません。 しかし、新しい時代の流れはその程度では止まらないでしょう。 iTunesStoreは猛烈に売れ続け、CDの売り上げは低迷する。これが消費者の答えではないでしょうか。

最後に個人的な希望

CDが売れなくなった理由として良く聞くのが、「曲の質が下がった」「娯楽が多様化したから、音楽にばかり金はかけない」というものです。 これらの理由も大いに関わっていると思います。しかし、曲の質なんて聴く人次第ですし、まだまだ音楽にお金をかける人も多いはずです。

タイトルとはかなりずれましたが、もちろん違法は違法です。 リスナーとしては安く手軽に良い曲が聴けることはもちろん嬉しいですが、好きなアーティストに頑張ってもらうためにも、対価は払うべきだと思っています。 「安く手軽で良いコンテンツを前提とした、新しいビジネスモデル」が今後確立していけば、アーティストもリスナーもうれしい関係ができるのではないでしょうか。 いち音楽ファンとして、期待しながら見守っております。